宮古島50cm望遠鏡の暗室内テスト... 投稿者:
夢作 投稿日:2021/06/16(Wed) 15:44 No.3286 |
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宮古島天体観測所の50cm望遠鏡は、当初リッチークレチアン光学系でしたが、どう調整してもアスが除去しきれなかったので、2007年の夏に鏡を修正研磨することにしました。 その時、最初は強い双曲面の凸副鏡だけを修正するつもりでしたが、結局思い切って凹双曲面の主鏡も研磨し直すことにしました。 それはメッキ代金を考えるとかなり思い切った決断でした。メッキ代だけで宮古島に3回行けるな・・などと考えながら・・(笑)
どうせ主鏡も研磨し直すなら、非対称面に磨かれやすい(アスが出やすい)非球面度の強い双曲面は避けて、放物面に磨こうと考えましたが、 金にならない趣味の仕事なので、時間と労力を惜しんで最終的には放物面よりもさらに非球面度の弱い楕円面で妥協しました。 と言って、副鏡が球面で済むドールカーカム光学系という訳ではなく、主鏡のパラボラ倍率が0.85位のクラシカルカセグレンとドールカーカムの中間位の光学系となりました。
その結果、凸副鏡は双曲面であることに変わりはないものの、リッチークレチアン副鏡に比べはるかに非球面度は弱く、勿論クラシカルカセグレンの副鏡よりも非球面度は弱いので大変研磨は楽でした。(笑)
長くなったので、続きはまた改めて書きますが、修正研磨後のオートコリメーション・ロンキーテストの画像を掲げておきます。 テストには有効径504oの平面鏡を使用し、ロンキールーリングは1インチにつき100本のものを使用しています。
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Re: 宮古島50cm望遠鏡の暗室内テ...
夢作 - 2021/06/17(Thu) 12:48 No.3287 | |
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補足です。
上に掲げたロンキーテスト画像は、主鏡と副鏡を実際の使用状況と同じようにセットアップして、光軸も調整して撮影したものです。 主鏡単独のテスト画像ではなく、主・副鏡込みのテスト画像です。(2007年9月4日 富士オプティクス・富士見平大野工場にて撮影)
縦の棒状の影は、副鏡支持の為の装置の一部が写っているものです。 |
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Re: 宮古島50cm望遠鏡の暗室内テ...
夢作 - 2021/06/20(Sun) 02:27 No.3288 | |
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続きです。
こちらの2枚は、修正研磨前のオートコリメーション・ロンキーテスト画像です。(2007年5月25日に撮影)
オリジナルのリッチークレチアン鏡は2005年5月2日に主鏡の製作を開始し、5月12日に主鏡研磨完了。副鏡は6月27日に製作開始、7月31日に研磨完了しました。 その頃、他にもいろいろ仕事を抱え非常に忙しかったので、やや手抜き加減になってしまったのが、2年後に修正研磨する羽目になってしまったのです。(苦笑)
ロンキーの黒い縞を見ればわかるように、癖のある曲がりや瘤が見られ、あまり良い像を結びそうもありません。(笑) とにかく、このオリジナル鏡はアス(非点収差)に悩まされ、どんなに光軸を弄ってもダメなので、ついに2年後の2007年に思い切って修正研磨することに相成ったのでありました。(笑)
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Re: 宮古島50cm望遠鏡の暗室内テ...
ひらい - 2021/06/20(Sun) 22:16 No.3289 | |
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夢作さん、とても苦労されたのですね。 高精度光学系を使わせていただき、感謝します。 |
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